南島原市役所様
社名
南島原市役所
業種
公共機関(市役所)
従業員数
約500名(2023年6月現在)
URL
https://www.city.minamishimabara.lg.jp/

500名の安否確認の自動化を実現
職員参集訓練の時間も1/3へと大幅短縮

南島原市役所様 画像1
南島原市役所様 課題・解決策・効果・一斉訓練効果

平成の大合併において、周囲にあった8つの小さな町が合併して誕生した南島原市。1637年には島原の乱があり、地元住民がいなくなると同時に幕府の天領から多くの人が移り住み、その中にそうめんの技術を持った者がいたことからそうめん製造が盛んになったと言われています。

そんな南島原市の有名な観光地と言えば雲仙普賢岳ですが、1991年に甚大な被害をもたらした大噴火が残した「溶岩ドーム」は32年たった現在も少しずつ活動しているとされています。そのため、万が一直下型の地震が起きた場合、大量の土砂が最短7分で有明海沿岸の国道まで押し寄せるとの予測もあり、現実に起こり得るリスクとして常に認識しておく必要があるのです。そこで今回は、南島原市役所で防災対策の指揮を執り、安否確認サービス2を導入したことで職員の一斉参集を実現させた総務部 防災課 防災交通班 林田さんにお話を伺いました。

電話連絡に限界を感じ安否確認システムの導入を検討

―南島原市役所において、林田様はどのような立場で防災対策に携わっているのでしょうか。

林田さん 総務部防災課にて、防災、消防、防犯、交通、自衛隊などを受け持つ班の班長をしており、非常に幅広い業務に携わっています。人口は4万人程度、市役所の職員は500名弱なので、実際に防災業務に関わることができるのも4名ほどですが、その中で班長として全体をコーディネートしているという形ですね。地震や台風などの非常時には災害対策本部を立ち上げ、情報収集や対策方針の決定などについて中心となり活動しています。

―災害対策の中心にいらっしゃるとのことですが、どのような背景があって安否確認サービス2を導入されるに至ったのでしょうか。

林田さん 1番の理由は台風ですね。毎年最低でも大型台風が3~4つ来るのですが、なぜか週末に当たることが多く、土日を挟んでしまうと人を集めるのが非常に難しくなります。例えば、市内に支所が8カ所あるのですが、従来は各支所に「避難所を開けるので、人員を集めてください」といった連絡を電話で行っていました。ところが、事前に知らせてはいるのですが、当日支所長と連絡が取れないこともしばしばあり、限られた時間の中で非常に苦労していたというのが実情です。そんな時、何かの拍子に安否確認サービス2の存在を知り、コスト面でも負担が少なそうだったので、総務部内で実証実験をするつもりでトライアルに申し込んだという流れです。

災害時に自動的に500名の職員全員に連絡できることが導入の決め手

―安否確認サービス2を導入する際、他社のシステムも検討されましたか。

林田さん いえ、トヨクモの安否確認サービス2のみで、他社は資料請求もトライアルも行っていません。安否確認サービス2の導入後いくつか防災に関するシステムを導入しており、その度に先方から安否確認システムや職員招集システムの紹介も受けるのですが、安否確認サービス2があるので安否確認については切り離して考えています。

―導入にあたって、どのような点を重視しましたか。

林田さん 災害時に全職員に自動的で連絡が届くという点が、1番の決め手になりました。有事の際は、第一段階として職員の安否はどうなのか、ケガはしていないのかを確認し、さらに職場へ来られるのか、来られないのかという状況を把握することが最重要だと考えていたので、設定震度以上の地震が発生した際、安否確認サービス2から自動で通知が届くという機能に魅力に感じました。原則として、南島原市役所では震度4以上の地震など、決められた基準以上の災害が発生した場合は庁舎に集まるというルールとなっています。安否確認サービス2を導入後もその仕組みは変わっていませんが、そうした連絡もアプリ上でやり取りができるので、非常に助かっています。

職員の安否確認と避難所の状況把握、双方がリアルタイムで可能に

―導入で、苦労した点はございますか。

林田さん システム導入にあたっては、特に苦労したという記憶はありません。ただ必ず年度初めに人事異動があり、全体の2割ほどが部署を異動するので、それに際して職員情報を入れ替えたり、入退職者のデータを入力したりするのが少し手間ではあります。とはいえ、この作業を委託できるとなると毎月の利用料金も上がるでしょうし、コストを抑えるためにはやむを得ない作業であると考えていますね。時間と手間はかかっていますが、基本的には人事情報を把握している職員に委託しているので、システムの更新と運用は役割を分けているというイメージです。

―現在の運用について、詳しく教えてください。

林田さん 一括管理は私を含む防災班の方で行っていますが、部署によってはLINEと併用しながら連絡ツールとして掲示板機能などを活用していると聞いています。安否確認サービス2を使えば簡単に一括メールを送ることができるので、その機能を頻繁に活用している部署もあるようです。ただ、訓練において1~2割の職員が無反応という点が、今の悩みの種となっています。ほとんどの職員は手早く回答してくれているのですが、どうしても返信がない職員がいるので、そこは訓練を繰り返していくしかないのかな、と感じています。

―実際に災害が発生した際、安否確認サービス2は具体的にどのように役立っていますでしょうか。

林田さん 島原半島には活断層が10以上あると言われており、一部が揺れると連動してあっという間に大規模の地震になる可能性があります。そうなると、迅速に複数の避難所を開設しなければならず、それに伴って避難所1カ所につき最低でも数名の職員が必要です。なおかつ、現地状況を確認するために災害現場に向かう人員を用意しなければならないんですね。そうした状況下で、安否確認サービス2のメールシステムや掲示板機能を使ってリアルタイムの情報を共有していくことができるというのは、非常に強みだと思っています。このシステムがなければ、災害対策本部に迅速に情報が届ける手段がないので、有事の際に状況を把握するにあたって安否確認サービス2は欠かせないツールだと実感しています。もはや職員の安否確認だけでなく、避難所の状況把握、情報確認ツールなどとして幅広く活用していますね。

―避難所の状況把握にも安否確認サービス2を活用されているのですね!
南島原市は地理的に大規模な地震が起こる可能性が高いとなると対策、対応が大変そうですね。

林田さん そうですね、どうしても雲仙普賢岳の溶岩ドームの存在は無視できません。ただ、基本的に地震や台風など災害が多い地域となっており、いずれの場合においてもメディアが「気を付けてください、避難しましょう」とかなり積極的に告知をするので、住民の皆さんも敏感に反応され、避難所は非常に混雑した状態になります。2022年に台風14号が上陸した際も、掲示板に避難所の混雑状況を書き込んで情報共有するなど、安否確認サービス2が非常に役立ちました。

電話連絡網から安否確認サービス2へ移行したことで職員参集訓練の時間を大幅短縮

―災害時の対応について平時に訓練はされていますか。

林田さん 南島原市役所では、トヨクモの一斉訓練とは別に、南島原市の取り組みとして「職員参集訓練」という名目で年に2回、平日と休日に1日ずつ実施しています。アプリからの通知ということで、従来は気付くまでに時間がかかっていたケースも多かったのですが、2023年から安否確認サービス2がLINE連携できるようになったので、そちらを活用することで今後は職員の反応もより早くなると期待しています。

―反応率の改善でLINE連携を活用いただけて、弊社としても嬉しく思います。ちなみに職員参集訓練は、もともと電話連絡で行っていたのですか。

林田さん そうですね、防災班である私たちがキーとなる部局長に電話連絡をするところから始めていました。部局長へのルートが3つほどあり、それぞれに連絡を入れるとどんどん枝分かれして最終的に一般職員まで通達が届くという形でしたが、500名全員に連絡が行き、最後の回答が来るまで1時間以上かかっていたと記憶しています。それが安否確認サービス2を導入したことで、最終的な確認時間は1/3以下に短縮されました。もちろん管理側で全体の状況把握はできるのですが、所内で各課長などを部門マネージャーとして配置しているので、そこで取りまとめて連絡をもらう流れを構築しています。

対象者を絞って一斉送信ができる機能の実装を期待

―今後、安否確認サービス2をどのように活用していきたいですか。

林田さん これまでお話ししたように南島原市は災害リスクの高い地域ではあるのですが、幸いここ10年ほどは災害で命を落とした方がおらず、その部分は自分が防災担当として誇りに思っているところではあります。今後も早めの避難行動をとっていただき、皆さんがケガなどを負うことがないようフォローしていけたらと考えています。また、その中で安否確認サービス2には、職員の安否確認、避難所の運営に関する情報共有や収集をになってもらおうと思っています。

―最後にこれからの展望、安否確認サービス2に期待することを聞かせてください。

林田さん 南島原市役所では、災害が起こった場合、災害対策本部の前に災害警戒本部を立てるのですが、警報が出た時点で当番となっている20~30名の職員に電話で連絡を入れています。当番の職員はその時々で違うため、そういった場面でも自動的に判別して通知を送ることができれば、その手間が省けるので非常にありがたいと思っているところです。その他、時代の流れや要望に応えて今後もバージョンアップしていただけるとさらに使い勝手がよくなると思うので、ぜひよろしくお願いします。

2023年6月8日に取材を実施しました。